言語聴覚療法


当院は、新生児から超高齢者までの幅広い年齢層を対象としています。
対象となる疾患は、脳血管疾患や神経筋・筋疾患、頭頚部癌や脳腫瘍、消化器癌など多岐にわたります。さらに、近年では、集中治療室や高度救命救急センターに入室中の重症患者さんに対する取り組みも実施しています。
大学病院の特色として脳神経外科領域における覚醒下手術の言語タスクがけ、WADAテストの補助、てんかん患者さんの術前術後の高次脳機能評価も実施しています。
また耳鼻咽喉科・頭頚部外科では聴力検査や嚥下機能検査、音声検査など診療の補助業務や音声障害患者さんのリハビリテーション、人工内耳装用者さんのマッピングや聴能訓練、吃音患者さんのリハビリテーション、小児患者さんの構音障害に対する言語訓練などを実施しています。
研修会を通して病院全体への啓発も積極的に行っており、今後は新たな知見を院外へも発信していく予定です。
以上、当院では言語聴覚士として実施できるほぼすべての領域を担っており、スタッフは日々研鑽に励んでいます。
失語症・高次脳機能評価・訓練




言語機能等を詳細に評価し、リハビリテーション治療に活かすためさまざまな検査道具をそろえています。患者さんが集中して取り組める環境で一人一人に合わせた訓練教材を使用しリハビリテーション治療を提供しています。
嚥下機能評価・摂食嚥下訓練




耳鼻科医師と共同し嚥下内視鏡検査・嚥下造影検査併せて年間500件程度実施しています。舌圧測定器やジェントルスティムも活用し、嚥下訓練を実施しています。
発声発語検査・訓練




発声機能検査装置(PS-77)・発音発語訓練装置(Visi-Pitch)により音声機能の評価・訓練を実施しております。喉頭摘出術後の方・気管切開中の方等への代償発声獲得のため電気式人工喉頭の訓練も行っています。小児の構音障害の評価のための構音検査・訓練も実施しています。
聴覚検査・人工内耳の調整



小児から成人まで聴覚検査を実施しております。また、当院では年間約15件の人工内耳・人工中耳の手術を行っており、装用者さんに応じた評価・調整を行っています。
多職種連携



新たな取り組みとして、2021年6月より多職種(医師・歯科医師・看護師・言語聴覚士・理学療法士・栄養士・薬剤師・歯科衛生士)による摂食嚥下支援チームを言語聴覚士が主体となって立ち上げました。摂食嚥下障害に対し、誤嚥性肺炎の予防や経口摂取量の増加、介助方法の提案などさまざまな視点から患者さんの機能およびQOL向上を目的に携わっています。